Hello, Everyone!! 小島動物病院アニマルウェルネスセンター院長の小嶋大亮です。

ここに小島動物病院アニマルウェルネスセンターに関わる全ての人と動物の皆さまに、開院40周年を迎えられたことを深い感謝の想いを持ってご報告させていただきます。

小島動物病院アニマルウェルネスセンター

当院のこれまでとアニマルウェルネス

当院は1979年に初代院長である小嶋佳彦と妻である小嶋孝代により、ここ秋葉の地で小島獣医科診療所として産声をあげました。初代は”動物は家族の一員です”をスローガンに日々、傷つき、苦しむ動物達の治療に没頭する中で、”健康に生きることが動物そして一緒に暮らす家族の幸せ”だということに気付きました。

その気付きはアニマルウェルネスという概念へと発展し、2003年にその思いを具現化するため、現病院名へ変更を行い、志を同じスタッフと共に動物の健康に関するトータルケアを行ってまいりました。2017年にはその動物医療の意思を引き継ぎ、更に社会に貢献するため開院38年に私、小嶋大亮が引継ぎ、ここに無事に40周年を迎えることができました。

開院より支えてくださった動物を愛するご家族の皆さまはもちろんのこと、同じ地域に住む皆さま、当院を運営する上で関わってくださっている関与先さま、そして当院で共に悩み、成長しているスタッフの皆さんへ心より感謝を申し上げます。

 

世代交代、新しい診療理念

私自身の話になります。物心ついたころから動物は好きでした。しかし、思春期の頃にありがちですが、志を持って病院を運営していた両親に反発する気持ちと文系向きの性分で、2年ほど回り道をして青森県の北里大学の獣医学科に進学しました。そのような背景でしたので、大学に入学した当初は、今一つ身が入っていなかったのですが、青森の豊かな自然、病理学という病気の診断と原因究明を行うサイエンスの世界、そして多くの人との出会いにより、実り豊かな約10年を過ごしました。

その後、国内外の多くの方に指導を受ける機会をいただき、多様な価値観の中で育てていただきました。そのまま、研究者・教育者としての道も魅力的でしたが、「お前は臨床に向いてるよ」という全く無責任な友の言葉にそそのかされて、30歳を過ぎてから動物病院の獣医師としてセカンドキャリアを始めました。

最初は同じ獣医師でも畑違いの部門でしたので、必要な技術の違いや病院に対して求められることの違いに戸惑いもありました。そんな生活の中で、自分自身が病気を経験しました。医師にさまざまな検査をしてもらいしっかりとした診断があったものの、治療は現在も続いています。ひどい痛みを抱える生活は3年に及び、子供も抱くことも出来ず、随分苦しい日々でした。ストレスで心も崩してしまい、家族、特に妻には随分な思いをさせてしまったと思います。

そんな中で自分を回復させてくれたものは自分が学んできたいわゆる本筋の医療だけではなく、代替療法の組み合わせでした。その中には人の言葉、感情など心からのアプローチ、人の体を使った温もりからのアプローチなどに救われました。そして、そこに従事する人は必ずしも医療に留まらず、異業種の方、そして、家族の支えがありました。

この体験から、今までと変わらず病気はあくまでも適切かつ正確な診断に立脚しなければ治療は徒労に終わるということ、治療はキチンとした科学的根拠に基づいた方法を選択することを大前提として上で、心、情報あるいは家庭を含めた周辺環境を丁寧に整え、理解することの重要性を感じ、【 Pathology Centered Animal Practice:PCAP=病理すなわち病気の何故を中心においた動物の診療】 をスタートさせました。

 

新旧理念の融合と振り返り

当院を船に例えると、40年の歴史の中で培われた【Animal Wellness】とまだよちよち歩きの【PCAP】が互いにアンバランスに補完するように運航しております。オールの大きさも、形もバラバラな上に、小さな船ですので、小さな波にも風にもぐらつきますが、当院を頼りにしていただいている全ての動物と人のことを大事にする想い 【Bond-based management:絆を基盤にした運営】を船の底に敷いておりますので水没の心配はなく運航できています。

以上が当院の歴史、人、地域、未来などさまざまなことに思考を巡らせ、私なりに一生懸命考えた当院の今の形になります。常にこれで良いのか、自問する気持ちを抱えながら日々診療と運営に向き合っています。人を評価させていただく立場に立たせていただいていて、他人のことは如何様にでも批評はできますが、自分をキチンと客観的に見ることがとても難しいものであることを知りました。現在、自分の考えた当院の在り方を常日頃、病院に来ていただいている皆さまのお声を聴きたくて、ここに私の想いを素直にお伝えいたしましたのと、40年の振り返りと50周年へ向けていくために来院された方々にアンケート調査をお願いしております。どのようなご意見でも結構です。どうぞご家族の皆さまもどうせ乗るならいい船に乗って頂いたほうがよろしいかと思いますので、ご協力いただければ幸いです。

 

今、何をしているのか、そして次の10年で何をしていくのか

私たちは【Bond-based management:絆に基づいた運営】を基盤の病院理念とし、その上に【動物のより良い健康観を突き詰めるAnimal Wellness】と【病気理解に基づく、総合的な獣医療によるPCAP】を双肩の診療理念として日々、動物とそのご家族の皆さまが安心して共生し、そしてその幸せが広がる社会を想いお仕事をさせていただいております。

その中で、目に見える形として犬猫のみならずエキゾチックアニマルも含めた動物種の幅を広げ、多くの動物を愛する人々のお役に立つこと、認定資格や団体公認による質を担保した専門化・高度特殊診療により、病気難民になってしまったご家族さまへのセカンドオピニオンを中心とした方向性の修正・解決を行い診療の深化を行っています。

また、同時に、当院にご来院いただいているご家族さまを一人ひとりが暖かい笑顔でお迎えし、安心して動物と暮らしていただけるように各ご家庭における多様な価値観や環境変化へ対応し、何が目の前のご家庭によって本当に良いのか考え抜いたベスト&ベターなケアを行うことが大切だと考えています。そして、そのように出来るように私の周りにいる人達を大事にしようと思います。

私はこのような当院の診療理念である【Animal Wellness】と【PCAP】が日本だけでなく、世界トップレベルの概念であると信じています。その考えを皆さまにご納得していただけるように、次の10年を努力したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さらに、その後は、このような素晴らしい動物医療を社会インフラに育てあげ、世界のどこに行っても、人と動物が豊かな自然の中で、共生し、イキイキとさまざまな創造活動を出来るようになれることを目標にしたいと思います。そのような考え方の中で日々を過ごして参りますので、どうぞ引き続き小島動物病院アニマルウェルネスセンターをどうぞよろしくお願いいたします。

令和元年7月1日   院長 小嶋大亮

あれ、俺、太った?