小島動物病院AWC院長の小嶋です。PCAPとはPathology Centered Animal Practiceの略語で、‘病理学を中心にした動物の診療’です。ここでは動物の病理学に関わることを記載しています。

PCAP色が好きその1(HE染色)の話はこちら

人間社会で生活していると、人を観察する際に似たような顔や体格のように外見が似ていたり、出身や肩書などの社会的な部分が似ていたり、感情や態度などの性格の部分が似ていたりすると思います。しかし、それぞれ細かい違いがありますのでそれもパターン認識して、総合的に‘誰だ’‘どういう人だ’と判断していると思います。
細胞も同じでどこに由来するのか、どんな質のものなのかを判断しながら、標本全体を見て、総合的に判断・診断をします。
実際に診断をするトレーニングをしないとイメージが湧きづらいですが、双子の違いを見分けるのが難しいように細胞も見分けるのが難しい時があります。そんな時に有用なのが免疫染色です。免疫染色ではターゲットとなる細胞が不明の場合、ある程度予測して、特別な染色を施して、茶色に染め上げます。関係ないところは水色になっていますので、それで細胞の特性を知ることができます。役に立つのは診断の難しい癌の確定はもちろんですが、ホルモンや病原体を特定し、その細胞の性格や原因を探したりすることもできます。予測した通りに結果が出た時は、赤丸をもらえたようでテストで満点をもらった学生さんのような気持ちになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウェットスーツは両肩に免疫染色の水色と茶色のコンビネーションにして得意になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは腸に転移した猫の肺癌のTTF-1抗体陽性像です。

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