小島動物病院AWC院長の小嶋です。PCAPとはPathology Centered Animal Practiceの略語で、‘病理学を中心にした動物の診療’です。ここでは動物の病理学に関わることを記載しています。2021年のテーマは‘PCAP2.0’です。

病理組織診断について(一般編)
病理組織診断は、一言でいえば病気の名前を確定する検査になります。例えば、皮膚にできものがあった場合に、細胞診断を経ておおよそ病気の概要が見えます。それを外科手術で摘出することで病名の確定診断を行います。細胞診断でも病名が決まることが多いですが、人でも同姓同名の人がいますが、性格が違うように、病気の名前を決めるだけでなく、どのような質か、あるいはどの程度の病変か、さらにその予後はどうなのかという情報を集約し、その後の治療方針の決定を行います。朝食を取っているとコレナンデ商会というのをやっていて、家族で楽しく見ています。病理診断を通じて分からないものが分かることではっきりとした太い一本道を私達に示してくれます。

病理組織診断(皆さんに知ってほしいこと)
病理医という仕事は、最終診断という重要な役割を担うのですが、広く世間に知られておりません。世間に周知するために積極的に情報発信をされている方も多いので、当院でも待合室にいくつか書籍をおいているのでご紹介します。

ちょっと活字が苦手という方もおられると思いますので、漫画もおいています。通院毎に読んでくださっている方もいらっしゃり、少しでもご理解が進むことを期待しています。それらと全く同じではありませんが、事象として病理を取り巻く諸問題は、形を変えて私にも発生しますので、大変勉強になります。また動物の病理診断でも啓発をされている方がたくさんおられますので、是非、‘動物 病理’で検索し、皆さまの活動を見て頂けると嬉しいです。私はいろんな病理診断会社や大学・研究機関の活動を見て、自分も頑張ろうと励みにしています。

病理組織診断(当院で行っていること)
正しい診断を出すことは当然ですので、一般にお話しできる特徴としては①病理と臨床を両方行える、②細胞診であれば即日で行える、③病理医が直接説明できるというところが挙げられると思います。しかし時代もどんどん進むので今後はAIやデジタルパソロジーも一般になってくると思います。そのような背景を踏まえつつ、いつも自分にしか行えない病理を模索しています。その部分を掘り下げていきたいと思っています。

①話す力

②表現する力

③伝える力

まだまだ上手にできませんが、話す力についてはコミュニケーション能力の向上やホワイトボードで説明しています。表現する力については診察室に遠隔の病理空間を作ったり、学会発表に積極的に挑戦しています。伝える力については新潟日報様の取材に取り組んでみました。それらを通じてもっともっと自分にしかできないこと、ここにしかないものを追求したいです。