小島動物病院AWC エキゾチックアニマル診療科 獣医師の小嶋恭子です。

メスの鳥の繁殖関連疾患は、エキゾチックアニマル診療科の診察の中で最も頻繁に遭遇する疾患です。特に寒いこの時期は卵塞(らんそく)での来院が増えます。

 

卵塞(らんそく)とは?

卵詰り、卵秘、卵停滞、難産などともいいます。卵が一定時間以上産出されない状態をいいます。

初産卵の鳥、一年中発情が強く産卵を繰り返している鳥さんではリスクが高いです。

また、この時期は低温で日光浴不足になりがちなので卵塞になりやすい時期になります。

 

産卵は病気?

発情や産卵は病気ではありません。通常年に1~2回繁殖期はやってきます。

でも、それが過剰になってしまうと、容易に病気を作り出しますので十分な注意が必要です。

飼い鳥にとって発情がただの発情では済まないのには理由があります。

セキセイインコやオカメインコ、ラブバードなどは、もともと砂漠に生息し厳しい環境下でも繁殖が可能な種類です。
一方、私たちと暮らしている鳥いわゆる飼い鳥は、環境ストレスがほとんどなく、明時間が長く(飼い主の生活に合わせて夜更かし傾向)、食事も豊富なので通年繁殖が可能で、とても発情しやすい環境下で生活していることになります。

そして何より、大好きな飼い主(発情のお相手❤)が常にそばにいるわけですからなおさらです。

ゆえに、本来持っている強い繁殖能力は飼い鳥に繁殖関連疾患をもたらし、命に関わる重篤な状態に進行してしまうことが多いのです。

 

卵塞にならないように、飼い主ができることは?

最も大事なことは、卵ができていることを見逃さないことです。

発情中は毎日体重を計測し、おなかをそっと触ってみましょう。卵を触知して24時間経過しても産出されない場合は病院に相談してくださいね!

普段から発情が強い子は発情抑制に努め、ビタミン剤やカルシウム剤を使用するなどの栄養管理、十分な日光浴を行って卵塞を予防しましょう!