小島動物病院AWCです。

暑い夏!クーラーの前を陣取るセレブなねこちゃんもいれば、クーラーがあっても沸騰しちゃいそうなお部屋を好むねこちゃん、ねこちゃんでも温度のお好みは真っ二つに分かれます。みなさんのおうちの子は、この夏どんな風に過ごされていますか?

暑くて、バタンキュー

動物病院にきたねこちゃんたちはみんな緊張しています。緊張の表現の仕方も温度のお好みと同じく真っ二つに分かれます。シャーシャーと怒る戦闘態勢のねこちゃん、緊張のあまりカチンコチンに固まってしまうねこちゃんがいます。
でも・・・診察室でご飯をもらったり、入院すると我が家のようにくつろいだり、甘えたり、コロッと態度が激変するのもねこちゃんのかわいい特徴です(笑)
【第1回】少しでもラクしたい!ねこちゃんの通院では、当院で行っているねこちゃんの診療での取り組みの一部をご紹介しました。

今回はご家族さまがお家でできること、病院で連れてきたときにできることをご紹介いたします。

こんな方法はいかがですか?
まずは、飼い主さまの深呼吸から

飼い主さまが構えたり、緊張してしまっていると、その気持ちがねこちゃんに伝わってしまします。キャリーケースにねこちゃんを入れる前や診察室で緊張するようなことがあれば、まず飼い主さまが深呼吸し、落ち着いてから優しくねこちゃんに声をかけましょう。

キャリーケースの選び方・普段の置き方

キャリーケースはさまざまなタイプがありますね。布製のバックのようなものもあれば、プラスチック製品のもの、籐素材のものなど。ねこちゃんのタイプによって、おススメのキャリーケースは違い、“これ”というものを選びきれません。悩んでいる方は、来院いただいている方は、「うちの子には何タイプがいい?このままでいい?」と聞いてくださいね。これから購入される方には、一番無難なものをお伝えします。扉の出入口が、上も横も開けるツードアタイプもしくは、上下に分裂できるタイプ!そして、プラスチック製品で、大きさは伏せたときの足先からしっぽの付け根までの長さが目安です。
キャリーケースを見ると、逃げ出してしまうというお話をよく耳にします。普段からキャリーケースをねこちゃんの目につくところに置いて、特別なものという認識しないようにしましょう。また、キャリーケースに自ら入るトレーニングをしてもいいかも!

キャリーケースのドアの向き

待合室でお待ちの間は、ねこちゃんの顔は他の動物や人が見える側ではなく、飼い主さんの顔が見える位置に向けてあげてください。キャリーケースの間からみえてしまう場合は、タオルをかけてあげると安心します。
また、診察を受けている間は、ねこちゃんの目線にキャリーケースが見えないようにしましょう。

キャリーの中の環境

怖いとおもらししてしまうことがあります。ペットシーツを敷く、おもらししてしまうことがわかっているのであれば、2~3枚敷いておき、すぐに取り換えられるようにしておくといいですね。

お家でもできるフェロモン製剤の活用法

前回の回でも出てきたフェロモン製剤。
フェロモン製剤は、ストレスを感じる環境が想定される場合、ねこちゃんを少し落ち着かせる作用を持ちます。院内では、設置型のタイプとスプレータイプをご用意しております。病院に連れてくる前にフェロモン製剤をスプレーしてくると、ねこちゃんのストレスを軽減することができます。

車の中の環境も大切です

キャリーケースに入っているねこちゃんは、人間より暑く感じます。夏は、風通しを良くし、温度設定を低めにしたり、保冷材を入れてあげる工夫をしてあげてください。でも、寒い冬や具合が悪い時などは湯たんぽをいれるなど、体調や季節によって対応が変わるので、ご相談ください。
車の振動で酔ってしまったり、緊張を高めてしまうことがあります。振動を感じにくいように、キャリーケースが揺れないように座席の足元や座席でもキャリーケースにシートベルトをしたり、周りに物をおいて、固定しましょう。
車酔いがひどい場合、当院では酔い止め薬を用意しております。お問い合わせください。

ねこちゃんを多頭飼育している場合

他の猫たちの様子を見るため、帰宅して数分はキャリーケースに入れたままにしましょう。お家にいた子もお出かけしていた子もみんな気が立っている様子もなく、必要以上に関心を寄せていないようであれば、キャリーケースから出してあげましょう。もし、普段と違う様子があれば、落ち着くまで別々の部屋ですごし、飼い主さまを通してお互いの臭いをかがせましょう。

ご家族さまにしていただけると通院がラクになるポイント・・・すなわち、ねこちゃんが安心できるポイントをお伝えしましたが、いかがでしたか?

実践できそうなものもあれば、難しいものもあると思います。ねこちゃんの性格や病気、季節などのよっても対応が違います。また、来院回数を重ねるたび、病院やスタッフに慣れ、行動にも変化がみられてきます。飼い主さまとスタッフでその変化を共有できれば、より良い正解が導き出せるのではないかと考えています。

ねこちゃんにとって病院が、緊張させてしまう場所ではなく、慣れてくる場所でもなく、最終的にねこちゃんが好きになってくれる場所が目標です。ねこちゃんの「これ好きー!」ということ、どんどん教えてくださいね。

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