小島動物病院AWCエキゾチックアニマル診療科の小嶋恭子です。

日々の診療の中で皆様にお伝えしたいことを発信していきたいと思います。

 

鳥の体の特徴的な構造のひとつに「嗉嚢(そのう)」があります。

「嗉嚢(そのう)」とは?

食道に出来た袋状の構造で、食餌の貯蔵粘液分泌消化しにくい食餌に水分を与えて消化しやすくする機能があります。そのうを持たない鳥もいますが、主な飼い鳥であるオウム目やフィンチ類はそのうを持っています。そのうは体の表面から触るこができます。特にさし餌中のひなは分かりやすいです。ごはんをいっぱい食べた後、胸の上がふくらんでいたら優しく触ってみてください。

そのうの異常を疑う症状は?

飲み込みづらそう、えずく、嘔吐するなどの症状が見られ、体重が減少することもあります。口をパクパクさせる生あくびが多いえずく(首をしゃくるように振る)動きが見られます。実際に嘔吐すると、頭を振って吐物を周りに飛ばすので、頭が汚れたり、ケージの内側に吐いたご飯がくっついていることで分かります。この汚れが、病的な嘔吐と、求愛や育雛のための生理的な嘔吐との見分け方です。これらの症状は胃に問題がある時にも見られます。

嘔吐したオカメインコ。顔が汚れている。

嘔吐の跡。ケージの内側に吐物が付着している。

そのう検査とは?

そのうの異常が疑われたら、「そのう検査」を行います。そのう検査とは、口からゾンデを挿入し、そのう内に温めた生理食塩水を注入後、その液体を回収して顕微鏡下で観察する検査です。健康診断でも行う検査で、この検査をしないと診断できない疾患もあり大変重要な検査ですが、ゾンデを挿入するので多少のリスクを伴います。体調を見て、検査による負担と検査から得られる診断とをよく考慮して行うことになります。そのう液の顕微鏡検査では、必要に応じて細胞や細菌を見るための染色を施し、病原体(寄生虫や菌など)の有無、細胞の種類や形を観察して診断につなげていきます。

そのう検査

次回は、そのうで見られる病気についてお伝えしたいと思います。

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