この夏は、酷暑が続き、また、大雨で被害にあわれた地域がありました。被災者の方々に心よりお悔みとお見舞いを申し上げます。一日でも早く平穏な日常が取り戻せるようお祈り申し上げます。

今年は6月18日に発生した大阪北部地震に引き続き、自然災害が続いています。この災害を通して、飼い主さまから“マイクロチップ”の問い合わせを例年以上にお受けいたしております。少しでもお役に立てればと思い、ご紹介いたします。

なぜ、震災でマイクロチップが重要視されているのか?

マイクロチップ装着の最大の目的、それは、はぐれてしまった時、再会の可能性が高まることです。

地震が起こり、パニックを起こして、外に動物が逃げ出してしまうケースが想定されます。保護された場合、マイクロチップによって、飼い主と動物を結びつけることが可能になります。そして、首輪につける名札と違い、はずれる心配がありません。

また、「動物愛護管理法」では、わんちゃんやねこちゃんなどの飼い主は、自分の所有であることを証明するために、マイクロチップの装着などを行うべきと定められているため、もしかしたら今後、避難施設等で装着の義務を求められる場面が出てくるかもしれません。

以前、噂程度で聞いたことのある話ですが、災害など混乱した状況ですと、保護団体だと偽り、誘拐されたと耳にしたことがあります。動物のためにと、真摯に活動されている方がいる一方で残念な話です。外すことのできないマイクロチップで確かな身元情報を明らかにする手段は、とても有効だと思われます。

 

当院で装着をする場合、どうやるの?

必要な検査をし、半日お預かりさせていただいております。頸の後ろの皮下に、マイクロチップを注入する専用の器具で埋め込みます。痛みも予防注射程度と同じといわれていますが、負担を軽減するために局所麻酔をかけて処置しております。マイクロチップの手続きは、日本獣医師会への登録が必要となり、当院で代行して登録を行うことができます。

 

もしもの時のために、マイクロチップ以外で備えておくもの

各家庭で必要なものをリストアップしておくといいですね。基本的なものをご紹介します。

1.しつけ

ものではありませんが、万が一避難所など家以外での生活が必要になった場合、基本的なしつけが大変重要となります。ケージに入り落ち着くことができる、家族以外の人がいても吠えない、指定されたところでトイレができる、むやみに食べ物をあさらないなど基本的なしつけが大切です。
心配なことが起こりパニックになった動物は、爪が伸びていると暴れたときに折れることがあります。爪切りを定期的に切ったり、動物のにおいや毛が嫌な方もいるので、シャンプーやブラッシングなど衛生管理も大切です。

2.感染症の予防

各種予防注射の接種、ノミ・ダニ予防など基本的な予防プログラムを実施しましょう。法律で定められている狂犬病予防注射の済票や鑑札、予防注射の証明書をすぐに取り出せるように保管しましょう。

3.名札

マイクロチップ以外にも、パッと見てわかるように首輪に名札をつけていると安心です。また、ケージやリード、服など持ち物に名前を付けましょう。

4.動物たちに必要な生活物資

フードや水、食器、ペットシーツやおむつ、消臭スプレーなどの衛生用品、リードやケージ、ワクチンの証明書、狂犬病予防注射の済票、タオルやバスタオル

わんちゃんの場合、けがをすると悪いので、わんちゃん用の靴や靴下もあると安心です。

また、万が一、逃亡した場合などのために、近隣の人に動物の写真を用意しておくいいかもしれません。

 

 

もしも、わんちゃんねこちゃんが逃げてしまった場合の保護先の問い合わせ

・動物愛護センター

・警察

・保健所

 

災害は、予期せず起きるもので、人も動物もパニックになります。ネットで調べて・・・なんていうのも、ライフラインが途切れてしまうと難しくなります。事前に調べて、備えておくと安心です。

今回ご紹介したものは、基本的なものばかりです。でも、“しつけ“なんて一言で片づけてしまっていますが、その家庭や動物にいろんな事情があります。問題に合わせて、当院のスタッフが相談にのりますので、わからない点がございましたら、お声がけください。

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