肥満ってなに?肥満になると、どうなるの?
肥満は万病のもと。その言葉のとおり、肥満が原因で発症する病気はたくさんあります。しかし、実は、“肥満”そのものが病気だとご存知ですか?
肥満を数字で表すと、基準の体重よりプラス15%の状態をさします。4㎏が標準体重であるわんちゃんの場合、4.6㎏以上になっている状態です。人だと、160㎝50~53㎏の女性が57.5~60.95㎏以上になっているイメージになります。
肥満によって、関節炎や椎間板疾患といった整形疾患から気管虚脱や高血圧、心臓病などの心肺系疾患、泌尿器疾患、糖尿病などといった病気のリスクが高くなります。これらの病気は発症すると、一生投薬が必要になったり、命に関わる重大な症状を引き起こす可能性があります。
正しい食事管理や体重管理で、これらの病気にかかるリスクを減らしましょう。それは、肥満から大切な家族を守るための健康なからだづくり、すなわちダイエットです。
ダイエットを成功させるために
まず食事管理がダイエット成功のカギとなります。
例えば、フードの量を減らすだけでは、摂取カロリーを減らすと同時に本来必要とする栄養素までも不足してしまい、バランスが崩れてしまうことがあります。また、ダイエット向けの療法食でも、代謝を改善して痩せやすい体づくりをするのか、摂取カロリーを制限して要求量を満たしてあげるのか、負担のかかる関節を考慮したものがいいのか、などさまざまな種類の中からその子にあった療法食を選ぶ必要があります。
「いつ、なにを、どのように、どのくらい与えるのか」このルールを中心に健康的にダイエットが行えるようにプランニングサポートすることが、当院のダイエットプログラムです。
ダイエットプログラムの流れ
STEP 01
現在の状態を知る ~聞く編~
ダイエット問診票をもとに、食事の内容や生活環境などの聞きとりを行います。
STEP 02
現在の状態を知る ~見る編~
ダイエットの初回です。今食べているフード、おやつをご持参いただき、獣医師と動物看護師、飼い主さまの3つの視点で現状を把握します。また、プログラムスタート時の全身写真を記録します。
STEP 03
目標の設定と達成のためのメニューの提案
ステップ1、2を踏まえて、当院オリジナルのダイエットプログラム冊子をベースに適切なフードを選択し、メニューをご提案します。
プログラムの冊子は、「肥満とはどういうものか」「太っていることで起こりやすい病気」「プログラム成功のためのポイント」などが載っており、お家でも日々の参考にしていただきやすい内容になっています。
STEP 04
定期的なチェック
プログラムの進み具合や個体差もありますが、2週間から1カ月に1回ほどのペースで体重や体格のチェックを行います。その際に、お家での様子の聞きとりも行い、必要に応じて給餌量やメニューの調整を行います。
このようにダイエットプログラムがスタートします。
日頃のわんちゃんねこちゃんの様子を見て、ひとつでも当てはまったら、肥満かもしれません。
- くびれがない
- 適正体重がわからない
- 不妊・去勢手術をしている
- ついつい、おやつを与えてしまいがち
- 動きたがらない
- 一日量を測って与えない
- まるまるとしていて、かわいいと言われたことがある
- ダイエット向けのフードを食べているが、効果がない